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ビジター用:近況・ニュース

“ビジター様”用:[近況・ニュース」欄のタイトル(2018年春)

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2018-04-08 講習会で勉強してきました(4月7日)

“ビジター様”用:[近況・ニュース」欄のタイトル(2018年冬)

2018-02-27 そば打ちに伴う腰痛について

“ビジター様”用:[近況・ニュース」欄のタイトル(2017年)

2017-12-29 カリンシロップを作りました

“ビジター様”用:[近況・ニュース」欄のタイトル(2016年)

2016-11-29 素人そば打ち日光段位認定会の報告(11月19日・20日)
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大会用の試験粉を打ちました

2018-03-20
小さい型枠で四角に延し広げたところ
大きい型枠で四角に延し広げたところ
縦に延したところ
  全麺協の審査用の試験粉は不味くて高いというのが定評ですが、そばネット埼玉の粉は幌加内産でしかも格安でした。しかも自分の粉より美味しいという驚きの結果でした。粉は三段用と書いてありましたので、三段審査に使われるのと同等品ということなのでしょう。【お知らせ】で紹介した写真を見ると、そば粉1個1個が見分けられますので、かなり粗そうです。殻もわずかに混じっています。これは蕎麦のホシ(星)となります。
 
  以下に再度の説明となりますが、100g打ちのやり方を含めて試験打ちの結果を報告します。
 
  まず試験粉をテストするため、実体デジタル顕微鏡で写真を撮りました(【お知らせ】写真)。粉密度と玉密度を測定しようと思いましたが、100g打ちの玉量では少なすぎて玉密度は測れなかったので明日またご報告します(翌日測ったところ、1.192g/ccでした)。粉密度は0.59g/ccでしたが、これは充填の仕方でかなり変わります。以前に別の粉を測った値で、0.6811という値もあります。今回は自然落下による充填方法を採用しました。
 
  次に最適水量を測定しました。粉はそば粉86.7g+つなぎ13.3gの合計100gで、割合は外二(83.3%)に近い割合で、86.7%でした。最初の1回目の加水は約47gでしたが、自分が適当な固さだと判断できるまで4~5回ほど少量を追加していき、最終的に51.60gとしました。加水率は51.6%ということになります。大体予想通りでした。
 
  うっかり玉重量を測り忘れて打ちに入ってしまいました。まず棒状に転がして適当な長さにします。つぎに2種の型枠を使用し、2段階に四角にしていきます(写真左・中央)。これを型から外して、縦に置き、短い延し棒(60cm)で前後に延ばしていきます(写真右)。長さ77.5cmになったところで幅を計測したところ約10cm弱でした。厚さは1.5mm程度でした。
 
  4枚に畳んだところ、寸法は10×20cmとなりました(続き写真)。切りでは多少屑が出ましたが、概ね綺麗に切れました(続き写真)。製品は153g、屑は13.64gでしたので、屑の割合はかなり高いと言えます。両端で出る屑の割合が大きくなるのは少量打ちの場合やむを得ないことです。
 
  出来た蕎麦の味がとてもよく、滑らかでした(続き写真)。ただコシだけはいつも打っている蕎麦よりは劣りました。少々粗い粉ですのでそれは仕方ないことだと思います。この美味しさにはとても感動しました!
 
 

追加写真

2018-03-20
切り前の状態
全部を一気に切り終えたところ
茹でた状態

そば打ち技術講座・①そば道具

2018-03-18
  趣味というものを始める際、先に道具を買うか、習ってから必要なものを順次揃えるかは人によって異なります。庵主の場合、在職中に同僚らと車で旅行をした際に立寄った「大内宿のそば道場」で食べた蕎麦が余りにも美味しかったもので、その場で道具一式(初心者用)を買ってしまいました。そして5年位経ってからやっと定年後の趣味として始めたのです。
 
  初心者用のセットには①捏ね鉢(プラ・朱塗り/外径36.3・内径33.6・深さ8.5cm)・②延し板(75×65cm・桐)・③包丁(24cm・ステン)・④こま板(0.5×24.8cm・7mm厚/枕23mm高)・⑤延し棒(40mmΦ×75cm)の5点が含まれており、合計で¥21000でした。現在では切り板付きの6点セットで¥16000から売られているようです(「豊蔵」)。ですがこれらはすぐに役に立たなくなるので、最初はそば教室やそばの会に備えてあるものを使い、慣れてきたら順次必要なものから揃えていけばいいのです。最初に買うのは多分包丁だと思います。これは人から借りることが難しいからです。
  蛇足ですが、直径を表す「Φ」は日本では「パイ」と呼ぶことが多いのですが、正確には「ファイ」と呼びます。「パイ」では円周率に出てくる「π」となってしまいますのでご注意ください。
 
  捏ね鉢はほとんどが木粉をフェノール樹脂で固めたものですが、結構重さがあります。中は朱、外は黒に塗られていますが、合成ペイントが使用されています。木製は漆塗りなので極めて高価で、余程道具に凝る人でないと持っていません。大木を利用するため自然を壊す一因ともなります。初心者も上達者もプラスチック製で十分です。一般には段位審査に使われる底が平な「尺8」(54cmΦ)ものが主流となっていますが、これは上級向きとなっており、6点セット価格は約8万円となっています。庵主は最初の数回は初心者用の36cmΦのものを使ったと思いますが、小さすぎてすぐに役立たなくなりました。
 
  延し板は初心者用にはが多く使われますが、これは柔らかいためすぐに表面がささくれて使えなくなります。(シナ)が最も適切です。庵主はホームセンターで買ったシナベニヤを90×90cmに切って、テーブルの上に置いて使っています。初心者はこの寸法で十分ですが、上達するとどうしても110×100cmのサイズが欲しくなります。それは上達してからで十分間に合います。
 
  包丁はピンからキリまでで、当面は鋼付きステンレス製の安い物をお勧めします。包丁は借りるという訳にもいかない(貸す方が嫌がります)ことから、早々に買う必要があるからです。刃長は30cmのものを買って下さい。上記同様、そば生地の切り長さは最大でも25cmですので、30cmの幅があれば十分です。庵主はホームセンターで買った「豊稔企販」の安来鋼青紙Ⅱ号(約700g・2009年当時¥14800)という鋼を使ったステンレス包丁を買いましたが、これで三段まで取りました。安い道具で段位を取ったことにむしろ誇りを感じています。道具は使いこなすことが一番だからです。
 
  こま板(駒板・小間板とも書く)は桐・ひば・桧・杉・黒柿などの材の板(継ぎ貼りもある)に枕と反り止め(この部分に欅・ブラックウォールナット・紫檀・黒檀・一位・黒柿などが使われます)を付けた道具です。切る際の定規の役目をします。枕部分には硬い材を使います。初心者向けにはやはり桐が多いですが、これは上記同様避けた方がいいです。漆塗りのものもありますが、打粉が目立つのが難点で、凝った人の好むもので、実用的にはひば・黒檀の組み合わせで十分です。薄いものは反りが出ますので、2.5mm以上の厚さのものを求めた方が無難です。大きさは24×31cmであれば十分です。
 
  延し棒は延すために使う棒で、ひばが最も多く、硬く重いものでは桜・樫・メープルなどもあります。太さは細いものでは25mmΦ程度のものもありますが、通常は30mmΦのものを求めてください。もっと太いものでは一本棒丸延しに使うものやうどん打ちに使うものがあります。長さは90cmが標準です。庵主は延し棒だということがすぐ分かるように、延し棒には寄木ものを使っています。
  この他に江戸流(四角に延すやり方)では巻き棒2本必要です。現在は全国ほとんどのところで江戸流の打ち方になっていますので、買った方が良いでしょう。材はやはりひばが標準です。軽くしなやかで、反りもほとんどありません。太さは延し棒と同じでも構いませんが長さは110cmが普通です。
 
  切り板(まな板)は初心者用には桐が多いのですが、上記したように桐は避けた方が無難です。柔らかすぎてすぐに傷が付くからです。お勧めは桧(檜・ヒノキ)です。かなり使っていますが傷がほとんど付きません。寸法は60×30cm・70×35cm・90×35cm・100×35cmなどがあります。庵主はそば打ち台が小さい(90×90cm)ため、70×30cmのものを使っていますが、不便はありません。そば生地の切り長さは最大でも25cmですので、30cmの幅があれば十分です。寄木の高級品もありますが、お勧めできませんし必要もありません。逆に包丁の刃が痛む可能性があります(庵主は持っていますが、ほとんど使いません。包丁の刃先が割れるような音がしたので怖くて使えないのです)。
 
  最後に、道具はできるだけ自分では買わずに、まず先輩から不要になったものを譲り受けるという知恵も働かせた方が賢明です。恩義を受けるのが嫌な方はご自分で購入してください。庵主はもし弟子が居れば、いくらでも上げたい道具があります。大方の上達者も同様なことに悩んでいるのではないでしょうか。  
 
  他の道具もいろいろありますが折につけ触れていくこととし、今回はここまでとします。
 
 
 
 

日本の「寝かし文化」を考える

2018-03-17
  日本の食品には多くの発酵を利用したものがあります。酒・味噌・麹・くさや・納豆・醤油・鰹節などです。世界的にもパン・ワイン・ヨーグルト・チーズなど菌を利用した食品が多くありますが、日本の多様さには及ばないでしょう。そばにおいても鰹節は魚肉を熟成させて旨味を作り出しており、醤油もみりんもそうです。これらを用いて作った汁でさえ、加熱して殺菌されているにも拘わらず熟成させます。
 
  確かにそば汁は作ってから少なくとも1日置けと言いますし、返しは1週間と言われます。庵主の実感ではおよそ1ヵ月くらい経った汁はまろやかさが増して、美味しさも向上しているのを感じます。これらは菌の働きとは思われません。十分殺菌されているはずだからです(今回はボトル詰めする際の温度は70℃でした)。ではなぜ熟成が起こるのか、ということについては余り詳しく研究されていないのか、あるいは単に知らないだけなのか、庵主には分かりません。生肉の場合には肉が持っている酵素によってタンパク質が分解されるということのようですが、加熱された汁の場合の熟成はどうやっておこるのでしょうか?
 
  生肉を熟成させることを「エイジング」と言うそうです。乾燥肉ではよく知られたことで、肉のタンパク質や繊維が分解して旨味成分が増すことで柔らかくなり、さらに香りを増して美味しくなるのですが、これを熟成と呼んでいます。生肉でも同様のことが起こるようで、エイジング・ビーフを提供している銀座の店では腐る寸前まで肉を寝かせるそうです。高級な店では一皿数万円すると言いますから、とても庶民の食べるものではありません。考えてみれば寿司ネタのマグロ肉も熟成させています。新鮮なものより熟成させた方が美味しいからです。このような食文化が全国で見られるというのは日本の食文化の特徴だと思われます。
  世界のどこでも、食材・食品では新鮮さが最大のウリとなっています。ところが日本では熟成がウリになっているのです。庵主は鮭とばが大好きで、歯の強化のために毎日咬んでいますが、これも熟成によって旨味が非常に強くなっています。椎茸も同様で、太陽光線によってビタミンや旨味が増加します。そしてそば汁も寝かせることでまろやかさが増します。
  そば自体では三立てと言われるように新鮮さを求め、一方、汁では寝かせることで熟成を求めるという2つの異なった考え方が共存しているところに面白さがあると思いました。
 
 
 

汁を2ヵ月10日振りに作りました

2018-03-17
厚削りを煮出した後のろ過
左:出汁取り後の厚削り・右:出汁
汁をペットボトルに入れる操作
  汁は大体2ヵ月ごとに作ります。ほとんど自分用ですが、親戚に蕎麦を上げるときには汁付きですので、その分だけ余計に消費します。ですが汁は1ヵ月から2ヵ月ほど経った頃に熟成して美味しくなりますので、丁度良い頃に無くなるわけです。
 
  汁作りでは、返し作り出汁(ダシ)作りがあり、返しは1年くらい持ちますし、継ぎ足しをやれば何十年も同じ容器で保存可能のようです。神田の「藪蕎麦」が消失したとき、ご主人が嘆いたのはこの返しが無くなってしまったことだそうです。出汁は汁作りの都度作るのが原則です。汁作りについては以前の記事(2018-01-07)を参照してください。
 
  返しはみりんと砂糖、そして醤油で作ります。悪くなる成分がないので、保存がよければかなり長期に保存できます。醤油自体に熟成があり、これにみりんと砂糖という甘味成分が加わることでさらに熟成が進むようです。作ってから1週間は熟成させるのが原則です。みりんと醤油の選び方にこだわる人もいますが、かなり高いものにつきますので、庵主は何処でも売っているヤマサの濃口醤油と薄口醤油を合わせて使っており、みりんもマンジョウみりんを使っています。
  砂糖の選び方により、バラエティが出てきます。普通は白砂糖でも良いのですが、これの代わりに白ザラメ糖を使うとサッパリ系の汁になります。逆にコクを出したい場合はキビ砂糖や茶ザラメ糖を使います。あるそば屋から教わったのは白ザラメと茶ザラメを半々に混ぜるレシピでした。現在はこれを使っています。ただ白ザラメは比較的結晶が大きいので溶かすのに時間が掛かります。
  
  出汁は最も重要かもしれません。通常はそば屋では厚削り鰹節と昆布を使いますが、これに干し椎茸を加える場合も多いようです。庵主も長い事干し椎茸を加えていましたが、ある時椎茸の嫌いな家内から椎茸の匂いが強いと言われ、それ以降厚削り鰹節だけにしています。好みの問題は難しいものです。通常、鰹節の旨味はグルタミン酸、椎茸の旨味はイノシン酸と言われますが、化学調味料のグルタミン酸(業界では「グル曹」と呼ぶそうです)やイノシン酸を直接使うと、独特の嫌味が分かりますので、庵主は現在は使いませんが、少量の使用は効果が大きいと思います。出汁に市販の「ネコブダシ」を使うようになったのは、これを加えたことでコクが強くなり、蕎麦湯で薄めてもコクが残ることが理由です。ネコブダシにも少量でしょうが化学調味料が入っています。その効果もあるのでしょうが、ネコブの旨味が強烈なのでしょう。そのため昆布は使わなくなりました。
  椎茸は干して初めてビタミンや旨味が生ずると言われます。出汁の材料として使う場合は必ず天日干ししていなければなりませんが、現在は工場生産でしょうから、天日干しかどうか分かりません。もし天日干しと書いてあるものがあったら、ぜひそれを使ってください。
  鰹節は通常は3ヵ月以上掛けて作ります。本節と呼ばれる高級品は1年以上掛けて熟成させます。「何年物」という言い方がされるほどですから、ワインなどと同様古いものが珍重されるようです。鰹節の表面に薄茶色の粉が出ているのが最上とされます。厚削りは比較的柔らかく、まだ未熟な状態で削るようです。庵主は高級品を買ってまで味にこだわることはできませんので、やはりスーパーで売っている「はごろも」・「マルアイ」・「フタバ」の厚削りを使っています。最近はもっぱら「フタバ」です。
  サバ節は汁が薄まったときにコクが残り易いと言われています。ただエグミも出やすいので、特にアク取りが大切になります。庵主は少量を加えるというやり方をしています。
  一時はコクを出すために、「マルトモ」の業務用ダシというのを使ってみたり、「茅乃舎だし」 、ベストアメニティの「八宝だし」、フジッコの「出汁昆布」、等々を試してきましたが、どうもうまくいきませんでした。
 
  今回は返しに白ザラメを10g多くして60gと茶ザラメを従来通り50gをみりん800ccに加えました。出汁作りでは厚削り鰹節を20g多くして200gを4Lの水に加えて20分煮出し、最後の3分前にサバ花節を20gを付け加えました。煮出しを終えてろ過した出汁に根こぶダシを70cc加えました。返しと出汁の混合割合は1:3です。合計4.8Lの汁が出来ました。出来立てですのでまだ味に角(カド)があるかもしれません。
 
 
 
 
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