ビジター用:近況・ニュース

 

“ビジター様”用:[近況・ニュース」欄のタイトル(2018年春)

2018-04-08 講習会で勉強してきました(4月7日)

“ビジター様”用:[近況・ニュース」欄のタイトル(2018年冬)

2018-02-27 そば打ちに伴う腰痛について

“ビジター様”用:[近況・ニュース」欄のタイトル(2017年)

2017-12-29 カリンシロップを作りました

“ビジター様”用:[近況・ニュース」欄のタイトル(2016年)

2016-11-29 素人そば打ち日光段位認定会の報告(11月19日・20日)
 

イカダを作らない方法

2018-03-15
包丁の上の粉を麺束に載せる
麺束を回転させて開いて確認
使用した打粉を篩って再使用
  イカダができやすい条件は以下の通りです。
①水が多めで、そばが粘りのあるものである場合
②切りに於いて特に押し切りの場合、切り残しを生じた場合
③切りを連続させて開きまでの時間が長い場合
④開きのやり方が不十分な場合
 
  ①の加水率ですが、固めに打つ人にはこれが原因でイカダができることは余りないと考えられます。それでもできるというのは②・③・④に原因があります。柔らかめの生地では水分が多いため、切った麺同士がくっつきやすく、柔らかめに打つ人は②・③・④でこれを防ぐ必要があります。ノムさんは柔らかめの方が美味しい麺になると考えているため、いつも柔らかめにしますが、イカダはごくたまにしかできませんし、出来た場合は確認してますので取り除きます。さらしなは粘りの少ない粉のためと細く切るため、ほとんどイカダはできません。この場合はイカダの有無の確認すら必要ないかもしれません。事実足利の「蕎遊庵」店主の根本忠明氏は開き・打粉振い落し・確認という作業を一切行わずに見事な極細麺を切ります。流石にプロで名人ですが、それを真似するのは危険だと承知しておいてください。
 
  ②押し切りもいろいろあり、昔は包丁の重さで切るというやり方が主流でした。それは包丁が厚く、切れが良くなかったからです。会津包丁は重さを増すためにわざと峰の先端を反らせています。また会津のプロの方の中には包丁の刃先を茶碗の高台で削って切れを悪くするということさえしている人もいます。それはそれで一理はあるのでしょうが、現代の鍛造技術・研ぎ技術の発展から現代のそば包丁は軽く・薄くが主流になってきており、足利の根本忠明氏の包丁は500gを切るほど薄く・軽く造っています。つまり押し切りではなく、スライド切りをするために切れを最大限に良くしているのです。この際、包丁はまな板に平行に前方に押します。自然に軽くそばは切れます。「プツプツプツ・・・」という感じが手に伝われば最高の切れだと言えます。スライド切りでは間違いなく切り板に刃が当たるので切り損じはありません。
 
  ③の連続切りはよくプロがやるやり方ですが、素人がこれを真似するとイカダができてしまうことがあります。それは切りのスピードの違いから出てくるのであって、ゆっくり時間を掛けて切るとその間に切った面同士がくっついてしまうからです。素人の場合、通常は20~30回切ったら開き(麺と麺を引き離す)を行わなければなりません。
 
  ④の開きのやり方もいろいろあり、包丁を麺束の下に差し入れたあと左手で崩すやり方や、包丁を右に引いて開くやり方があります。ノムさんは独特なやり方をしますので後述します。開きをしたからと言って、必ずしもイカダが出来ないということはありませんから、後で確認が必要です。
 
  よく審査会などで、切る・開くという動作だけで、イカダの有無を確認していない人を多く見かけます。それでうまく切れているなら問題はないのですが、そういう人の中にはイカダを作ってしまう人が多いのです。時間が無いから確認を省いたということもあるでしょうが、確認は是非とも習慣付けてもらいたいものです。四段の人でもよくイカダのある蕎麦をイベントなどで出すことがあります。これも習慣付けていないことが理由となっていると思われます。
 
  イカダは絶対に作ってはいけない、もし出来てしまったらその部分は全部除く、ということを肝に銘じて下さい。そのためには確実な確認が必要です。
 
  ノムさんの独特な方法を紹介します。これは最善というわけではありませんので参考程度にしてください。
①切りは30回を基準(手で握る限界)としており、太さによって変えます。切ったあと右に寄せ、「向こう切り」
 と呼んでいる端切り落としをします。包丁を頭(手前)と足(向こう側)に挿し込み、右に引いて「引き開き」します
②足の側2/3に再度包丁を挿し込み、そのまま持ち上げて左手で平らに頭を挟みます「掬い取り
③足を切り板に載せた状態で足の部分に包丁の上に残った打粉を落とします(写真)。包丁は包丁置きにもどします
④麺束を挟んだ左手を左右に振らし、イカダができないようにするとともに打粉をまぶします
⑤落ちた打粉を麺束で手前から舐めるようにして切り板の向こう側に落とします(清掃)。
 この時足の裏側にイカダがないかどうか確認します
⑥右手で麺束の足を平らに握り、板上で右回転させて頭を扇状に開きます。この時頭のイカダの有無を確認します
⑦今度は右手の甲を上にして麺束の裏側を表にして板上で左回転させ、頭を扇状に開いて裏側のイカダの有無を確認します
⑧右手で持っている麺束の頭を切り板に数回ぶつけて頭の打粉を落とします
⑨左手で頭を持って左右に振り足の打粉を落とします
⑩右手で足を持って生船に収めます。この時頭から入れることになります。足先はきれいに揃います
 
  この方法の利点は、掬い取りによる時間短縮・打粉の再利用・確実なイカダの有無の確認、にありますが、確認作業に伴って通常よりは所要時間が長くなるのが欠点です。持ち替えが多いのですが、それによって端の揃いが悪くなることはありません。本来は動画でこれらを説明すれば分かりやすいのですが、動画を撮ってくれる人がいないので写真と説明でご理解いただければ幸いです。
 
 
 
 

そば用生船の設計図

2018-03-15
左から、蓋・本体・中蓋
左から、蓋の裏・本体の裏・中蓋の裏
中蓋を入れた状態
  この生船は2段になっており、幅は190cmのため、多少麺束の端を折るようにして入れます。ノムさんの場合、1人前100gを捩じって入れます。この場合下段と上段合わせて18~20人前入りますが、入れる前にラップを敷き、入れた後に麺の上にもラップを被せます。1人前150gの場合には上下で14人前くらいになるかもしれません。約1.5キロのそば粉を打った場合の量に相当します。
 
  捩じって入れるのは1人前ずつ計って入れて1人前が区別できるようにするためです。こうすると茹での際に1人前ずつ茹でることができ、改めて計り直す必要が無くなります。真っすぐ入れたのでは1人前の分量を取るのは難しくなります。写真は現在使用中の状態で、作った当時の状態ではありません。
 
  これまで市販のものをいろいろ探しましたが、プラスチックのタッパーなどでは如何にも味気ないのと、2段に重ねて入れられるものは他にありませんでした。蓋との隙間が少ないため、乾燥を予防できます。本来ならカシュウ漆などを塗って格好よくすればいいのですが、時間がなくて白木のまま使用しています。底板にはアイボリー色の塗り板を使っているので、ラップをしなくても短時間の保存ならば直に入れても大丈夫ですが、後の清掃を考えるとラップした方が楽です。
 
  以下の2枚の図面を参照すれば、自分で製作できると思います。
 
 
 
 
 
 
 

延しについて測定結果から考察してみました

2018-03-10
地延し後の状態
丸出し後の状態
四つ出し途中を見せるために開いた状態
  延しには、①巻延し・②棒延し・③手延しの3種があります。この巻延しと棒延しのどちらが効果が大きいかを前記事のグラフから推測すると、1回の延しで比べると巻延しの方が効果が大きいことが分かります。ですが1回に掛かる時間を比較すると巻延しの方が時間が掛かることから、効率的には棒延しの方が良いと思われます。
 
  ですが巻延しには全体を均一の厚さにする効用がありますので、四つ出しの後に行うと良いのかもしれません。庵主はこれまで四つ出し後の巻延しをしたことはありませんが、これを取り入れている人も多いことから、次回打つ時にはこれを取り入れてやってみたいと考えています。前回の測定結果を再度掲載しますので、グラフから上記のことを確認してみてください。
 
 
 
 

ほとんど初めての12枚重ね

2018-03-10
広げ過ぎた生地(はみ出している)
3段に重ねた状態
12枚畳みの断面
  ノムさんはこれまでに1度位は12枚重ねを試みたことがありますが、この方法はプロがやるもので、素人には必要がないと考えたために、以後これを試みることはありませんでした。これまで四段を取得するまで全て8枚重ねで通してきました。ですが最近切りが安定してきたのと、3月8日の午後に打ったものについても「延しによる生地の延び」を測定した際、かなり薄くなったので縦に長くなり、畳んだ時にかなり長くなることが予想されたので、12枚にすることにしました。
 
  なぜ12枚は素人に必要ないと考えたのでしょうか? それは素人は時間に追われないからです。プロは短時間に沢山の仕事をこなさなければならないため時間との勝負になります。ですが素人はその必要がありません。わざわざ切り高さを高くして、切り揃えを悪くするよりは、高さを低くして綺麗に切る方が重要です。
 
  ですが四段クラスになると結構12枚重ねでやっている人が多いのも事実です。それは切りの時間を節約して他の作業に時間を回したいという事情があるからです。審査もまたプロの仕事と同様時間との勝負となりますからそれも一理あります。また四段クラスで12枚重ねが出来ないというのは恥であるという考えもあるでしょう。ですが庵主はこれまで自分の考えを変える必要はないと思ってきたので、敢えて12枚重ねをしませんでした。
 
  先だって競技会に参加したとき、失敗して途中からやり直したのですが、そのため時間が足りなくなって途中で終了となってしまいました。もしあの時12枚重ねでやっていたら、あと少しのところでしたので全部切り終えていたかもしれません。そんなこともあって、今回のような場合には12枚の方が良いと判断したわけです。
 
  やってみて問題は余りありませんでした。綺麗に揃って切れましたし、極細の自分で言うのもなんですが、見事な麺となりました。ただ慣れないので3段に重ねるときに多少時間が掛かったと思います。全ての写真を公開したいのですが、機能の制限で3枚しか掲載できませんが、要所の部分の写真をご覧ください。
 
 
 

延しによる生地の延びの測定

2018-03-09
地延し後の生地(直径32.5cm)
丸出し後の生地(棒は60cm)
四つ出し後の生地(台は90×90cm)
  延しには①巻延し・②棒延し・③手延し、があります。①の巻延しは、丸出しに続く四つ出し・幅出しで主として使われます。棒に巻いた状態で広げていくとともに、生地の厚さを均一にする効果があります。②の棒延しは主として丸出し・延しにおいて使われます。③の手延しは地延しにおいて使われますが、その他の場面でも形の整形に使うと便利です。ですが手延しを整形に使うことは‘下手’の証拠として一般には行われません。たまに畳みにおいて見られる程度です。ですが庵主はこの方法は素人にとってとても良い方法だと考えて積極的に採り入れています。
 
  今回は午前と午後の2回の測定の結果を、A:データ表A:グラフB:データ表B:グラフ 、で示します。リンクをクリックしてエクセルファイルをダウンロードして下さい。グラフは自動的に表示されます。保存もできます。
 
  結果から分かったことは、丸出しが下手(庵主は下手です)な場合、縦・横の寸法が乱高下しやすいということです。上手い人は縦・横寸法にそれほど大きな違いが見られず、最後まで円形を保った状態で広がっていくと思われます。
  1500gを打った場合、丸出しではできるだけ60cm以上の径にすることが望ましいとされます。四つ出しでは70~80cm四方幅出しは幅80~85cm位が適当でしょう。今回の測定では水量が多く生地が柔らかかったためにかなり広がってしまい、整形に苦労しましたが、最終的には厚さ・幅・長さともに理想的な状態になり、1.4mmというかなり薄い生地に仕上がったため、極細麺にしました。
 
  データをどう読み取るかは人によって違いますし、熟練度によっても異なってくると思います。このデータは決して模範的なものではなく、むしろ好ましくない事例と考えてください。ただこうした計測によってなにかしら分かることもあるのだと考えています。