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ビジター用:近況・ニュース

寒晒しそばについて

2018-01-24
  寒晒しそばとは、秋に収穫したソバの実を殻付きのまま川に1週間ほど晒したあと、天日干しして寒気に晒して作るソバで、今回のように池に晒すということはほとんど例がないと思います。昔からドングリはアクが強いので川に晒すということを行っていたことは前の記事(2017-12-19「どんぐり蕎麦に再挑戦しました」)に書きましたが、ソバはほとんどアクが無いのでその必要はありませんでした(昔の地粉にはあったかもしれません)。ですが寒気に晒すことは甘味を増すと言われ、これは米などの氷温冷蔵に応用されています。
 
  寒晒しは網袋に入れた玄ソバを川の流れに晒すことから始まりますが、その作業はとても大変です。さらに1週間以上経ってから川から引き揚げ、今度は大きなビニールシートに広げて夜間の寒気に当てるとともに乾かします。これに失敗すると芽が出てしまいますが、その失敗から「発芽そば」というものが生まれました。寒気晒しの日数は詳しくは分かりませんが、少なくとも数日は晒すようです。勿論雨・雪が当たってはいけないので、雨天には覆いを被せる作業も必要です。それこそ古代から行われてきた並々ならぬ努力の結晶のようなソバです。少々値段が高いのもその苦労を思えば安いものです。そしてこれを寒中で春まで保存し、蕎麦として流通するのは2月頃から4月頃が多いようです。
 
  一般に寒晒しはエグミを取る効果があるといわれますが、これまで蕎麦にそのようなエグミを感じたことはありませんので、この効果は疑問です。ですが寒晒しによる甘味の増加はあるかもしれません。氷温冷蔵と同じことだからです。ノムさんは寒晒しという面倒なことをするのは嫌なので、不精かもしれませんが冷凍庫で氷温冷蔵をして似たようなことをしています。温度はマイナス5℃ですがこれに根拠はありません。長いものは3ヵ月ほどこの状態で保存します。これを水に浸すと芽が出ますので生きているのです。甘味が増しているかと言うとそれを実感するほどではありません。ですがソバの保存には最も良い方法であると思っています。
 
  以前米の氷温冷蔵を実験したことがあります。そのときは古米を使ったのですが、冷蔵庫のチルドルームに10日ほど入れたあとに炊いて食したところ、古米が新米のよう粘りが出て美味しくなったのです。これにはビックリしました。そして氷温冷蔵の効果を信奉するようになったのです。古代人はドングリのアクを取るために長い時には半年以上も川にドングリを浸けていたそうです。それは甘くすることよりもエグミを取ることに主眼があったからに他なりません。ソバに同じようなことを求めるのはオカシイと思いますが、こだわりの日本人は寒晒しをとても好むようです。
 
  ノムさんはあちこちのそば店で寒晒しを何度も食していますが、特に感激するような美味しい蕎麦には出会ったことがありません。値段からすれば本来は食べたいとは思わないでしょうが、食べ比べという意味で寒晒しそばを提供している場合には大抵は食べてみることにしています。
 
 
 
 
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