本文へ移動

ビジター用:近況・ニュース

汁を2ヵ月10日振りに作りました

2018-03-17
厚削りを煮出した後のろ過
左:出汁取り後の厚削り・右:出汁
汁をペットボトルに入れる操作
  汁は大体2ヵ月ごとに作ります。ほとんど自分用ですが、親戚に蕎麦を上げるときには汁付きですので、その分だけ余計に消費します。ですが汁は1ヵ月から2ヵ月ほど経った頃に熟成して美味しくなりますので、丁度良い頃に無くなるわけです。
 
  汁作りでは、返し作り出汁(ダシ)作りがあり、返しは1年くらい持ちますし、継ぎ足しをやれば何十年も同じ容器で保存可能のようです。神田の「藪蕎麦」が消失したとき、ご主人が嘆いたのはこの返しが無くなってしまったことだそうです。出汁は汁作りの都度作るのが原則です。汁作りについては以前の記事(2018-01-07)を参照してください。
 
  返しはみりんと砂糖、そして醤油で作ります。悪くなる成分がないので、保存がよければかなり長期に保存できます。醤油自体に熟成があり、これにみりんと砂糖という甘味成分が加わることでさらに熟成が進むようです。作ってから1週間は熟成させるのが原則です。みりんと醤油の選び方にこだわる人もいますが、かなり高いものにつきますので、庵主は何処でも売っているヤマサの濃口醤油と薄口醤油を合わせて使っており、みりんもマンジョウみりんを使っています。
  砂糖の選び方により、バラエティが出てきます。普通は白砂糖でも良いのですが、これの代わりに白ザラメ糖を使うとサッパリ系の汁になります。逆にコクを出したい場合はキビ砂糖や茶ザラメ糖を使います。あるそば屋から教わったのは白ザラメと茶ザラメを半々に混ぜるレシピでした。現在はこれを使っています。ただ白ザラメは比較的結晶が大きいので溶かすのに時間が掛かります。
  
  出汁は最も重要かもしれません。通常はそば屋では厚削り鰹節と昆布を使いますが、これに干し椎茸を加える場合も多いようです。庵主も長い事干し椎茸を加えていましたが、ある時椎茸の嫌いな家内から椎茸の匂いが強いと言われ、それ以降厚削り鰹節だけにしています。好みの問題は難しいものです。通常、鰹節の旨味はグルタミン酸、椎茸の旨味はイノシン酸と言われますが、化学調味料のグルタミン酸(業界では「グル曹」と呼ぶそうです)やイノシン酸を直接使うと、独特の嫌味が分かりますので、庵主は現在は使いませんが、少量の使用は効果が大きいと思います。出汁に市販の「ネコブダシ」を使うようになったのは、これを加えたことでコクが強くなり、蕎麦湯で薄めてもコクが残ることが理由です。ネコブダシにも少量でしょうが化学調味料が入っています。その効果もあるのでしょうが、ネコブの旨味が強烈なのでしょう。そのため昆布は使わなくなりました。
  椎茸は干して初めてビタミンや旨味が生ずると言われます。出汁の材料として使う場合は必ず天日干ししていなければなりませんが、現在は工場生産でしょうから、天日干しかどうか分かりません。もし天日干しと書いてあるものがあったら、ぜひそれを使ってください。
  鰹節は通常は3ヵ月以上掛けて作ります。本節と呼ばれる高級品は1年以上掛けて熟成させます。「何年物」という言い方がされるほどですから、ワインなどと同様古いものが珍重されるようです。鰹節の表面に薄茶色の粉が出ているのが最上とされます。厚削りは比較的柔らかく、まだ未熟な状態で削るようです。庵主は高級品を買ってまで味にこだわることはできませんので、やはりスーパーで売っている「はごろも」・「マルアイ」・「フタバ」の厚削りを使っています。最近はもっぱら「フタバ」です。
  サバ節は汁が薄まったときにコクが残り易いと言われています。ただエグミも出やすいので、特にアク取りが大切になります。庵主は少量を加えるというやり方をしています。
  一時はコクを出すために、「マルトモ」の業務用ダシというのを使ってみたり、「茅乃舎だし」 、ベストアメニティの「八宝だし」、フジッコの「出汁昆布」、等々を試してきましたが、どうもうまくいきませんでした。
 
  今回は返しに白ザラメを10g多くして60gと茶ザラメを従来通り50gをみりん800ccに加えました。出汁作りでは厚削り鰹節を20g多くして200gを4Lの水に加えて20分煮出し、最後の3分前にサバ花節を20gを付け加えました。煮出しを終えてろ過した出汁に根こぶダシを70cc加えました。返しと出汁の混合割合は1:3です。合計4.8Lの汁が出来ました。出来立てですのでまだ味に角(カド)があるかもしれません。
 
 
 
 
TOPへ戻る