本文へ移動

ビジター用:近況・ニュース

第1回全日本さらしなそば打ち大会を観戦してきました

2017-04-02
三色合わせ蕎麦を打つ選手
出来た三色合わせ蕎麦
いただいた蕎麦2種
  さらしな蕎麦は打つのが難しいため、有段者でも打ったことがない人が多いようです。そのため知名度が低く、一般の人でさらしな蕎麦を食べたことがない人がたくさんいるというのも頷けます。これを再び庶民の食べ物として普及させようと、多くの人が努力してきました。蕎遊庵の根本忠明氏もその一人で、蕎遊庵蕎麦打ち教室では頻繁にさらしな蕎麦が打たれてきました。その打ち方も根本氏によってかなり進化してきたようで、道具を重視する氏の考え方からエンボス麺棒が発明されました。この麺棒はまさにさらしなを打つために欠かすことができないものとして認識されるようになりました。勿論この麺棒が無ければさらしな蕎麦は打てないということではなく、素人にとって打ち易くなったという効果があるということです。
  今回の大会がNPO法人そばネット埼玉が主催しているにも拘わらず、全国規模を謳っているということに非常に意味があります。また全麺協が直接的係ったわけではないにせよ、全麺協の東日本支部の支部長を務めておられる阿部成男氏が立ち上げに重要な役割を担ったとみられることから、全麺協公認と言ってもよいのではないかと推測されます。これからの進展に一そば愛好者として期待するものです。一方、蕎遊庵が実質的に主催してきた足利そばフォーラムに於ける「さらしな蕎麦打ち選手権」が今後も継続されるのか、それともNPO法人そばネット埼玉主催のさらしな名人大会に吸収合併されるのかは、今後の推移を見ていかないと分かりません。いずれにしても足利に留まっていた根本氏の活躍の場が全国レベルにまで引き上げられたことは確かであり、今後の発展を期待するものです。
 
  今回の大会の特徴はいくつもありますが、そのいくつかを取り上げてみたいと思います。
1.「外二更科蕎麦」と「変わり蕎麦」の2部門を設けたこと、そしてそれぞれに名人・準名人を表彰対象としたこと
2.「変わり蕎麦部門」では選手に種物を自由に選ばせたこと
3.会場の関係で、応援席は2階の観客席に限られたこと
4.演技終了後、打った蕎麦は観客に開陳されたこと
5.熱湯は保温ポットに入れたものが支給されたこと
 
等です。3については特に問題は無かったように思われ、反って全体がよく見渡せて良かったように思います。4は非常にありがたいことで、楽しみが幾層倍にも増えます。最近これを行わないところが増えていますが、全麺協が指導しているとしたら大きな問題だと思います。役人的な発想からではなく、そば打ちファンを楽しませることを優先していただきたいと願うものです。5は大きな問題を含んでいるのではないかと思いました。それはどうしても保温ポットでは熱湯温度が下がるのではないかと思うからです。実質的に問題がないのならそれはそれで構わないのですが、どうなのでしょうか?選手の方々に訊いてみたいところです。
  審査は全麺協の審査方法を採用したようですが、用具や方法については最大限の自由を認めているようです。例えば、変わり蕎麦部門では大きなすり鉢とすりこぎを用いて桜の葉を摺った方もおられましたし、紅と白の二層の蕎麦(某仲間によりますと「昼夜蕎麦」と言うそうです)や3つの色を取り混ぜた蕎麦を打った方もおられました。準名人となった川鍋敏雄さんは三色混合蕎麦を打たれました。熱湯を更科粉だけに加えるのか、全体に加えるのか、あるいは後で水を加えるのかなどは全く自由です。全員の方が自分の考え方に沿ったやり方で完璧に仕上げておられました。流石だと思わされました。特に極細に切られた方もおられ、まるで糸のようでした。その技術に感服はしますが、それが果たしておいしいのかどうか確認したくて、少し分けていただいた蕎麦を試食しましたが、やはり細すぎると本来のさらしな独特の食感が失われ、おいしさを減じると思いました。極細のものは幅1mm、太麺のものは幅2mmでしたが、どちらも茹でて箸持ち25cm以上にはなりません。極細のものは色が緑で茶そばと思われましたが、はっきりした香りはわかりませんでした。しかも茹でると海の藻屑の様になり、コシはあるのですが蕎麦を食べているという実感が湧きません。太麺は逆にゴムのようで、40秒から120秒まで4段階の茹でをしましたが、結局120秒でもまだ固さと強力な弾力は残りました。この中間くらい、およそ1.2mm位が適当なのではないでしょうか。つまり審査は技術的な観点から行われているので、それはそれで有意義であって、極細を作れるというのも一つの評価には違いありませんが、食べる側からすると味・触感・香りの3つの評価が必要だし最も重要なのです。ですから、技術的評価が高い人が必ずしもおいしい蕎麦を打てるとは限らないということになります。庵主としては両方を大切にして蕎麦打ちを楽しんでいきたいと思っています。
 
 
 
 
TOPへ戻る