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B-B:材料と成分

B-B: 「材料と成分」の内容

 「材料と成分」では、そば打ちと蕎麦食に関係する食材について、そばの成分や汁の成分、その効能などについて解説していく予定です。サブテーマを以下に示しますが、順次内容をアップしていきます。
 
 サブテーマ
 
B-B-2:ソバの種類
B-B-3:ソバの実の構造(工事中)
B-B-4:そば粉の成分(工事中)
B-B-5:グルテン(工事中)
B-B-6:ルチン(工事中)
B-B-7:食物繊維(工事中)
B-B-8:三立てそばと四立そば(工事中)
B-B-9:そば割合(工事中)
B-B-10:そば汁の素材(工事中)
B-B-11:そば汁の成分(工事中)
B-B-12:そば湯の成分(工事中)
B-B-13:玄ソバの利点と欠点(工事中)
B-B-14:????  
 
 

B-1: ≪‘そば’という用語≫

 ‘そば’という単語にはいろいろの使い方があります。これには「日本蕎麦」の意味もあれば、「中華そば」・「焼きそば」という使い方もあります。また「ソバ」・「そば」・「蕎麦」でも使い方が異なります。ここが日本語の難しいところですが、おもしろい話しがあり、1976(昭和51)年当時、沖縄ではほとんど日本蕎麦がなかったのですが、蕎麦粉を使わない「沖縄そば」というラーメンと同様のものはありました。この名称に公正取引委員会がクレームをつけ、「そば」と称すべきではないとしたそうです。ですが、沖縄製麺協同組合が交渉した結果、特例として「沖縄そば」の表記が認められたということです。本土復帰後の沖縄では、「(日本)蕎麦」も普通に食べるようになったそうですが、そのところの実態は行ったことがないので分かりません。また、そばのふる里とも思える飛騨高山においても、普通「そば」と言えばラーメン(高山ラーメン)を指す場合が多く、蕎麦を指す場合はあえて「日本そば」と呼称するそうですが、これも未確認。

 庵主の考え方を以下に独断的に披露したいと思いますが、本HPでは以下の考え方に沿って用語を使い分けたいと考えています。

 まず「ソバ」という用語を使う場合は、植物としての分類上の表現とします。「ソバの花」や「ソバの実」という植物としての部分を指す場合にもこれを使います。穀物の種類として表記する場合にも「ソバ」を使います。本サイトでは原料として実の形態をしている場合は「ソバ」と表記します。

 「そば」と言う場合は、一般的な麺類を指すこともありますが、本サイトでは一般的に使われている「そば祭り」や「そば道」などから、広く使用できる単語として扱います。特に原料としての「そば粉」はソバ粉や蕎麦粉とは表記しません。

 「蕎麦」という漢字を使う場合は、麺の形になった製品としての日本蕎麦の意味で使います。
 
 

B-2: ≪ソバの種類≫

  栽培種、野生種、種間雑種を含めて、約10数種が存在するらしく、栽培種は普通ソバとダッタンソバに分けられます。普通ソバというのは我々が日常食べているソバで、ダッタンソバ(韃靼というのは中国の一地方の名称ですが、蛮族の住むところと言われ、今では“差別用語”とされているため、カタカナ表記します)は苦そばとも言われて多少の苦みがあります。ですが、これはルチンが普通ソバの数十倍あると言われ、健康指向の現代では一時流行しました。ですが、やはり蕎麦として食べるには苦味と癖が強すぎます。あるお店はこれを出していますが、二八でもかなりアクが強いので、最近はかなり割合を落しているそうです。ですから蕎麦として食べるよりも、そば茶として飲む方が健康に良いでしょう。中国産が心配な方は、北海道で栽培したものを売っていますから、これを買うといいです。まるで緑茶のようで、とてもおいしくて苦味は全くありません。
 
 普通ソバの品種は近年品種改良も進み、以前は北海道では牡丹ソバが主流でしたが、キタワセ(北海道)が出てきてからは9割以上がキタワセになっています。他にも信濃1号(長野)常陸秋そば(茨城)が有名です。最近赤い花を咲かせる高嶺ルビーが有名になってきたので見かけたことがあるかもしれません。ですが、外国産の原種を取り入れたものは、栽培には相当の危険があるようです。なぜかと言うと、そばは花粉を訪花昆虫や風によって運ばれて受精する他殖性作物(風媒花)だからです。赤い花の品種はネパールの系統をひくもので、日本の在来のものとは随分性質が違うので、混じると大変危険だと言われています。日本のある地域では上記のような危険も考慮の上、一つの町が全体で赤いそばを植えるようにしたらしいのですが、その赤いそばも3年余りでまるでダメになってしまったそうです。そばの生産地、特に採種圃のあるところでは決して植えないというのが掟であり、注意しなければならないのです。
 
 北海道の幌加内では「キタワセソバ」が主流ですが、独自に「ホロミノリ」を開発しました。キタワセより草丈が低く、風雨により倒れにくいので脱粒が少なく、甘味があり、癖がない上品な味と言われています。栽培期間も北海道としては70~100日と従来より20日短く、収穫が同時にできるメリットがある。関東では茨城県が開発した「常陸秋そば」が最も有名です。これは品質が安定していてかつ粒が多く揃っていておいしいと評判でブランドとなっています。現在では生産量も生産地も拡大して、それほど珍しくはなくなってきましたが、開発された当初は茨城県内でしか手に入らず、ほとんど県内で消費されていたようです。現在では栃木県でも益子の鈴木そば製粉が57町歩の休耕田で生産しており、農林大臣賞(奨励賞)も受けています。
 
 地粉と呼ばれるものは昔からその地に根付いて適応してきた在来品種から得られる粉を指し、通常はそのような純粋種を「在来種」と呼びます。そのため味が濃く、甘味の強いものや色の濃いものもあります。ですが粒が小さく、バラツキがあるのが普通であり、栽培も山間地で少量生産されるものが多いので、広く流通はしていません。‘幻のそば’と呼ばれるものは皆この在来種です。地方に行かれた場合には、そのような粉を探して買い求め、蕎麦掻きにして食べるなり、そば打ちをやる人は楽しみに打つのが醍醐味となります。地粉に特徴のある名前を付けてブランド化をする傾向もあり、長野県の信濃町の黒姫山麓一帯で栽培されるソバに「霧下そば」という名称を付けてブランド化したのはその典型です。香りが高く、粘りが強いのが特徴とされるようです。庵主の友人は栃木県の都賀・西方の大柿村でそば店を経営していますが、「発芽そば」というのを売りにしています。寒晒しに失敗して芽が少し出てしまったものを乾燥して製粉したら、おいしいそばになったというのです。どこも売るための戦略が欠かせない時代になってきました。
 
 千葉県の若葉区野呂町では埼玉県越谷から明治年間に野呂町に持ち込んだソバを三代百数十年に亘って栽培が続けた結果、千葉在来種となりました。60年前には絶えてしまったと思われていましたが、その蕎麦種が数年前にある農家の天井裏で発見されたそうです。これを少しずつ増やし、2011年にはようやく1トン近くが栽培されて完全復活させました。ソバの実というものは種ですから、保存がよければ相当年数発芽能力を維持しますし、庵主も農家の方が納屋に置いていた10年前の玄ソバを戴き、発芽試験をしたところまだ生きていることを確認しました。そしてそれを打ってみたところ、食べるに遜色ないどころかとてもおいしく感じました。
 
 長野県飯山市富倉には「富倉そば」と呼ばれる幻のソバがあるそうです。詳しくは以下のHPを参照してほしいのですが(https://www.iiyama-ouendan.net/special/tomikura/)、どこにもこのような幻のソバはあるもので、それを探して各地を食べ歩くのも趣味の1つなのでしょう。庵主はわざわざ交通費を掛けて食べにいくようなグルメ派ではないのですが、旅行ついでの蕎麦屋巡りはいつも計画します。
 
 興味がある人は、農家の納屋に仕舞い忘れられたそんな幻の在来種を探して、栽培を試みたり、そばを打ってみてはいかがでしょうか。
 
 
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