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B-L:無駄をなくすことと ‘そば道’

文章

B-L:「無駄を無くすことと ‘そば道’」の内容

 「無駄を無くすことと ‘そば道’」では、そば打ちや蕎麦食の際に如何に無駄を無くすか、そしてそのことは ‘そば道’ とどう関係しているかについてまとめてみます。以下にサブテーマを記しますが、順次内容をアップしていきます。(現在はまだ一部‘工事中’です)

 B-L-1:食物の無駄な廃棄の実態  (工事中)
   B-L-2:食物は天から与えられた恵み
 B-L-3:そば打ちにおいて如何に無駄を無くすか
 B-L-4:‘そば道’とは何か? (工事中)
 B-L-5:汁作り残材の利用
 B-L-6:蕎麦屑の利用
 B-L-7:再生打粉の利用
 B-L-8:そばパックの再利用

B-L-1: ≪食物の無駄な廃棄の実態≫

B-L-2: ≪食物は天から与えられた恵み≫

  人にとって食物が豊かなほど幸いなことはありません。ですが歴史的に見るとその条件が満たされていた期間は極めて短かったような気がします。今日は科学技術のお蔭で先進国では飽食、中進国でもそこそこに食べることに不自由は無くなりました。飢餓という状況は北朝鮮やアフリカの一部で未だに起こっていることですが、それはかなり特殊な状況になっています。ですが全体的にみるとまだ栄養が十分足りているとは言えず、食物は地域的に大きな偏りがあると言われています。日本でも数百年前まではまだ飢饉や天災もあったりして、飢餓の恐怖は絶えることはありませんでした。農民はそんな時に備えて、いつも翌年播くための種を残しておくことを忘れませんでしたし、救荒作物と言われるそばを非常時のために栽培することも忘れませんでした。
 
  そう考えると、食物に溢れている日本の現代の状況もまたごく特殊なものだと考えるべきでしょう。そしてこのような恵まれた状況だからこそ、食べ物を大切にする精神を維持していくことは子孫のためにも重要なことなのです。素人でそば打ちをやられている方々は普段は食物の恵みに与る側にいるのですが、そば打ちをする時には食物を生産する側にも関わってくる訳ですから、そばを如何に無駄にしないで多くの人に提供したらいいかを考えるべきでしょう。それが‘そば道’ということにも繋がってくるのではないかと思うのです。
 
  人は良い状況に慣れてくると、苦しかった時代のことを忘れてしまいます。今がうまくいっているのは自分達が努力しているからだとか、もう飢餓が来ることなんか有り得ない、と思いがちです。しかし歴史は繰り返すものだとも言われます。再び全地球的に食物が激減することがいつやってくるかもしれないと考える方が科学的には合理性があります。そうであるならば、状況が良くても悪くても少なくとも食べていけるという現在の状況に感謝する心が必要だと思います。それが「食物は天からの恵み」という気持ちを起こさせ、そば打ちをする際も無駄を出さない努力を生むのだと思うのです。(終わり)
 

B-L-3 ≪如何に無駄を無くすか≫

  そば打ちをやられている人の始めた動機が何であれ、それが食物を扱う趣味である限り、如何に無駄を無くすかを考える必要があると思います。またその方がそば打ちを続ける上でも経済的に重要なことです。純粋に趣味で打つ人にとっては、必要なだけそばを打てばいいのですが、それでも最低500gくらいは打たないとやりにくいことから、どうしても他の人に分ける必要が出てきます。そのようなファンを持っている場合はいいのですが、量が多くなるとどうしても全部消化できない場合も出てきて、仕方なく廃棄せざるを得ないことになることが多いと思われます。
 
  そこで無駄を無くすということが意外に難しいことであり、そのやり方を知らないと自然と廃棄が習慣になってしまいがちです。本項では庵主の経験を踏まえて具体的にこれを示していきたいと考えていますが、結構各論を述べ始めると長くなってしまいそうなので、別項にもその具体的方法を述べることにしました。ここでは無駄を無くすための要点と、別項では触れない点について述べてみたいと思います。
 
  まずその要点をまとめると、
  1.材料を保冷(冷蔵・冷凍)する。
  2.打つ量を100gから打てるように工夫する。
  3.打った時に出た屑を利用する。
  4.出来た蕎麦の保存方法を工夫する。
  5.廃棄する蕎麦の利用方法を工夫する。
という5点にまとめられます。
 
  1.材料を保冷(冷蔵・冷凍)する:材料を長持ちさせれば、無駄をかなり防げます。昔は冷蔵庫も冷凍庫もありませんでしたので、保存させるためには玄ソバの状態で置くしかありませんでした。しかしそれでも劣化は避けられません。現代は便利な保存機器があるのですからこれを大いに利用すべきでしょう。庵主は農家の物置に放置されていた5年物・10年物の玄ソバを製粉して打ったことがありますが、普通においしく食べられましたし、特に10年物はとてもおいしかったです。私が感覚的に鈍いせいかもしれませんが、おいしく食べられるならそれに越したことはありません。また室内で丸抜きを半分は光が当たらないように黒いビニールで覆い、もう片方は覆わないで置いて数ヶ月観察しました。すると明らかに室内の光が当たった方は短期間で茶色くなり、もう片方は長い事変色が遅れました。最終的には両方とも茶色くなりましたが、光は退色を大きく促進することがわかります。玄ソバが保存に有利なのは、殻が光を遮断すること、酸素との接触を防ぐことにあるのではないかと思われます。
  ではそばの保存に冷蔵・冷凍は必要ないかというと、特に冷凍には氷温冷蔵という効果が期待されます。つまり冷凍することで甘さが増す効果のことです。穀物や果実などは凍るギリギリの温度にすると、凍るまいと自ら油分や糖分を増すと言われます。原理は「寒晒し」と同じようなものですが、丸抜きの状態で冷凍庫で約1ヶ月以上保存してみました。冷凍庫では-15℃くらいにまで冷やしますが、この方法が適当かどうかはわかりません。ですがこれを常温に戻して水に浸けると発芽したのです。つまり生きていることが証明されたのです。-15℃でも死なないというのは実に驚きでした。生命力というものはすごいものです。青みも新そばとほとんど変わらず、甘味はわかるほど強くは感じませんが、おいしさは増しているように思われます。本来なら10日位で十分なのだろうと思うのですが、保存のためですから数ヶ月の保存を試しています。
  そば粉も冷凍します。これは酸素による劣化を防ぐためです。常温の下で紙の大袋で納屋などに置いておくと、虫が湧いたりカビが生えることがあります。ですが冷蔵庫や冷凍庫で保存すればこのような心配は皆無です。欠点は専用の冷凍庫を買わなければならないことです。安いものはネットで6万円余で買えますので置く場所とおカネがある人はぜひ買われることをお勧めします。
 
  2.打つ量を100gから打てるように工夫する:そばを試し打ちしたい場合や、自分が食べる分だけ打ちたい場合などはできるだけ少量のそばを打ちたいことがあります。しかし蕎麦の切り長さを20cm以上(折りを考えると40cm以上)にするためには最低でも300g以上の粉を打たなければなりません。これは蕎麦量としては450gになりますから2人分くらいになります。庵主はどこまで粉量を少なくできるかを試みてきましたが、少量打ちをするにはどうしても道具が必要だという結論になりました。自分で木工で作成した枠を使い、100gでも打てるように工夫しました。このやり方では130gくらいの蕎麦ができますので、試しには十分ですし、自分用としては少々少ないですが、試食用としては適切な量だと思います。いろいろな状態の粉を試し打ちするにはこの道具は重宝です。
 
  3.打った時に出た屑を利用する:これについてはL-6≪蕎麦屑の利用≫をご覧ください。
 
  4.出来た蕎麦の保存方法を工夫する:蕎麦をおいしく食べるためには「打ち立て」が原則ですが、冷蔵庫に入れて保存すれば翌日までならなんとか食べられます。ですが蕎麦の包み方で大きく異なります。食品パックにただ入れただけでは翌日まで置くと乾燥してしまうためにおいしさが減じます。食品パック+ラップでは乾燥は防げますが、出てくる湿気のために蕎麦同士がくっつくことがあり、ほぐすときに苦労することがあります。食品パック+キッチンタオルでは乾燥を十分に防ぐことができず、特に端が乾燥して白くなってしまうことがあります。最適なやり方は食品パック+ラップ+キッチンタオルの組み合わせで、最後にラップを折りたたんで湿気が抜けにくくすれば、端が白くなることはほとんどありません。白くなった蕎麦は茹でても軟らかくならずに白いままで、食感を著しく悪くします。茹でる時にこの部分を取り除ければいいのですが、これはとても面倒です。特に人に上げる場合には、その日に食べるとは限らないので、包み方を完璧にして差し上げるのがそば打ちの礼儀と心得るべきでしょう。
冷凍をするという方法もあります。包み方は冷蔵の場合と同じようにしてください。そうすれば1週間は食べられます。解凍の仕方は常温で半日以上置くのが最適だと思います。電子レンジを試したことがないのですが、多分少し固めになると思われます。
 
  5.廃棄する蕎麦の利用方法を工夫する:賞味期限を過ぎた蕎麦は捨てるしかないと考えるのが普通でしょう。そこでこれを堆肥にしようと考える人が多いようですが、塊で捨てると意外になかなか腐らないもので、堆肥になるまでにかなり時間が掛かるようです。庵主は幸いなことに親戚で鶏を飼っているので、鶏の餌として上げることにしています。鶏は喜んで食べています。鶏は原始的な生きものですから、少々なことでは中毒を起こすというようなことはないそうです。もし身近に鶏などを飼っている家がありましたら、その人に相談して栄養価のある餌だと言って貰ってもらえるようにしたら如何でしょうか。(終わり)
 
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